2017/09/21
最近、社内イベントを自ら企画する会社が増えています。
気軽な懇親会や納涼会、忘年会といった定番のイベントはもちろん、スポーツ大会や社員旅行といった大掛かりなイベントも専門業者に任せず、自社で企画・運営するのが最近のトレンドです。背景にはイベントを通して、社員同士でコミュニケーションを深めて欲しい、モチベーションアップにつなげて欲しいという会社側の狙いがあります。
一方で、慣れない社内イベントの運営に困惑する若手社員たちも増えています。ここでは、社内イベントの企画者が知っておくべき知識、おすすめのイベント、盛り上げ術などを紹介します。
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あなたが社内イベントの担当者に任命されたら、何はともあれ決まった日時に向けてイベントを企画し、いつの間にか具体的な仕事に忙殺されていることでしょう。
それくらい、一つのイベントを進めていくのは大変なことです。
忙しくなって余裕がなくなる前に、企画者が身に付けておくべき心構えを頭に入れておきましょう。
社内イベントを企画する人が押さえておかなければならないのが、「イベントの目的を明確にする」という意識です。
例えば、何となく「ボーリング大会をやろう!」という話が持ち上がったとしても、日時を決めて会場を予約し参加者を募ればイベントは実現できてしまいます。ところが、後に残るものは少ないはずです。
もしこのイベントの狙いを「部署間の交流」に定めれば、「どうすれば他部署で交流ができるか?」という視点でチーム分けや終了後の宴会の席順といった細部まで考えるようになります。
こういった目的はスローガンなどにしてイベント告知の印刷物に刷ってしまっても良いでしょう。そうすれば、社員たち自らも同じ意識で参加してくれる可能性が高まります。
大々的に発信することが憚られる目的があるなら、裏コンセプトとして企画者だけで共有するという手もあります。
例えば、「社長を元気付けよう!」「独身社員同士の出会いの場」「愛社精神を持つきっかけ作り」といった狙いがある場合、あえて表には出さずに目的が達成できるようなアイディアを粛々とちりばめれば良いわけです。無目的にイベントを開催するのはやめましょう。
あなたは社内イベントの企画者を一人きりで引き受けているでしょうか?もしそうなら、上司に掛け合って仲間を募りましょう。
もし色々な部署から集められた複数人で企画するなら、実行委員の一体感や絆を強くするような飲み会を企画してみてはいかがでしょうか。
プライベートな遊びと違って、社内イベントの企画運営は人手が必要なだけでなく、強固なチームワークが求められます。できれば若手社員に加えて、少し上の年齢層の社員も構成メンバーに加えたいところです。
その理由は明確。通常の業務を抱えながら、一人でできることは限られているからです。一人で数時間、数日かかる作業がベテラン社員の鶴の一声ですぐにできてしまうこともあります。また、イベントには音響や司会、BBQ準備、会場との折衝といった様々な業務が発生しますが、メンバーが多ければ得意な人も出てくるはずです。
そのぶん、定期的に会議を開いたりしてメンバー間で情報共有をする必要も生じますが、最近は社内SNSも発達しているので積極的に利用して情報をシェアしましょう。
周年記念のような会社色が強いイベントはもちろんですが、そうでない場合でも会社の上層部を積極的に巻き込んでいきましょう。
ただの有志による自主的な催しと異なり、社内イベントである限りは実行委員会も会社の一組織に過ぎません。
当然、全てを好き勝手にできるわけではありません。であるなら、会を楽しく、印象深いものにするために、経営陣の力を借りる方が得策です。周年記念イベントのような場合は、トップの意向をしっかりと汲んだり、経営陣のサポーター役に徹したりしなければならない場面も出てくるでしょう。
一口に「社内イベント」と言っても、その内容は多岐にわたりますし何をすべきかについて正解はありません。
ここでは、代表的なイベント4つと得られやすい効果などを挙げていきます。
最も気軽にできるのが「懇親会」や「親睦会」と銘打つ催しです。
目的としては、「社員間の交流」がメインで、時に関係業者や新卒の内定者といったゲスト的な立場の人たちを招くことがあります。
基本的には会場を押さえて、参加者を募れば実現できますが、ゲームなどの企画が大事になってきます。
初対面の参加者が多い場合は「自己紹介」から始め、クイズやミニゲーム、ビンゴ大会といった盛り上げタイムを設けた後にしっかり歓談時間を取っておくのがおすすめです。
実行委員には司会の技術と盛り上げタイムの企画練りが求められます。
比較的気軽に開催できるボーリング大会から、社員総出の大運動会まで体を動かすイベントには、他では得られない様々な効果が期待できます。 まずは社員同士の交流が挙げられます。チーム編成には十分時間を使いたいところです。
チームによる一体感を通して初対面の人と仲良くなったり、会社への印象がよくなったりすることで愛社精神を培うこともできます。
また、社員一人ひとりの健康意識を高めることにもつながります。翌日からの仕事に対して、モチベーションアップを図ることもできます。
一方で実行委員会はチーム編成、競技の選択、ルール設定、司会や音響、賞品の選択および購入、終了後の宴会準備、移動手段の確保など幅広い業務が求められます。
社員たちを非日常の世界へと誘う社員旅行は、社員間のコミュニケーションの向上とストレスの発散を大きく促してくれる人気イベントです。
温泉やグルメといった完全娯楽系と、あくまで視察などの学びを目的に据えた研修旅行系と両系統ありますが、どちらも最も困難なのは日時の設定です。繫忙期や関係業者に迷惑をかけるタイミングを避け、さらに最重要人物が必ず参加できる日を選びましょう。
宿泊を伴う場合、宴会やそれに伴う余興なども期待されるので実行委員にかかる負担は大きいと言えます。
大人数になるときは旅行代理店を頼るのも手。チケットの手配など以外にもやることは無数にあるからです。
目的によってはアウトドアでバーベキューをしてその日のうちに帰る、という日帰りも選択肢として考えられます。
企業にも誕生日に当たる創業記念日があり、その日に周年記念イベントを行う会社が増えてきています。
頑張っている部署や社員個人を表彰したりすることで、社員のモチベーションを上げたり、会社へのロイヤリティ-(忠誠心)を高めることができます。
最近ではかつてのように社長の挨拶や表彰のみといったお堅い式典風の内容だけではなく、前述のようなスポーツ大会や旅行をもって周年記念イベントとするところもあります。
また、お付き合いのある企業や株主、エンドユーザーを招いてショーのような完成度の高いイベントを開く会社もあります。
実行委員会のメンバーは目的をしっかり定め、どんなコンセプトの催しにするのか?どこまでの人を呼ぶのか?具体的にどんな構成にするのか?をしっかり細部まで詰め、組織立って進めていく必要があります。
周年記念イベントで売り上げに貢献してくれた社員や、スポーツ大会でMVPを受賞した社員を表彰する際、プレゼントが必要になります。
また、懇親会でのちょっとしたゲームやビンゴゲームなどでも豪華賞品があると喜ばれます。
社内イベントで賞品を準備する際に覚えておきたいことを以下に記します。
「豪華な賞品を準備しよう!」と気合いを入れるがあまりにやりがちなのが、参加者が欲しいものとミスマッチした賞品を買ってしまうこと。
例えば、「ハワイ旅行を家族で招待!」は紛れもなく豪華ですが、独身者が多いイベントには不向きです。
一方、家電やグルメは比較的幅広い層に人気と言えます。
迷ったときは賞品候補リストを社員の何人かに見せて、意見を募るのもアリでしょう。
実行委員会側としては、用意した賞品が人に渡ればそれで任務終了という気持ちになりますが、もらった側としては、その賞品をもらうことが行動を制限されたり、置き場に困ったり、帰り道が大変になるきっかけにもなり得ます。
現金をはじめ、図書券やビール券などの金券、テーマパークや映画のチケットなどかさばらない賞品を選んだ方が良い場合も多々あります。
また、家電や家具といったかさばるものは目録を渡すようにします。
セレモニーのイメージを重視したいので、その目録もなるべく見栄えに凝ったものにすると良いでしょう。
近年、100円ショップが隆盛を極めているため「これ、本当に100円?」と思うようなアイテムが増えてきました。
イベントを運営するうえで必要になる事務用品などで頼ることもあるかもしれません。
ただし、賞品に関しては安易に100円ショップに頼るのは危険です。
そもそも頑張った人や活躍した人に対して100円のものを渡すのは、その人のことを本当に考えての結果であるよりも、自分たち実行委員会がお金を浮かすことが第一目的になっているはず。
そんな気持ちでは、参加者を喜ばせる企画を実行することはできません。
限られた予算の中で参加者が最大限喜ぶ賞品を選ぶこと。それも運営者に求められていることの一つです。
社内イベントの運営は大変なことばかりです。
通常の仕事をしながらの作業に「余計な仕事を増やされた…」と嘆きたくなることもあるかもしれません。
でも、同じ境遇の社員たちと交流を深める好機であるとともに、自らのスキルをアップさせる好機でもあります。
また、終了後にはたくさんの社員たちに感謝される立場でもあります。
あなたの頑張りを多くの社員が見ていないようでしっかり見ています。
ぜひこの記事をイベント運営の際に役立てていただければ幸いです。